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 その他マンション周辺には、先にも書きましたように墜落爆発による多くの傷痕が残されていました。マンションの直ぐ下に設置をしてあったステンレス製の水タンクには、直径数cmの穴が開き、そこから水が噴き出していました。そして、そのお向かいの家のアルミで覆われたドアは、完全に貫通した直径数10cmの穴が開いていました。いくつも残されているこうした飛散した部品による貫通痕の特徴的なことは、入った側の穴は小さくても、通過をした後の出た方の穴は、えぐり取られたように大きな穴になっているという点でした。このことは、前々から沖縄戦のときの記憶としても聞かされていました。爆発の影響で高温に熱せられた破片は(沖縄戦のときは、艦砲弾などの破片であった)回転をしながら飛んでくるため入るときの穴は小さくても貫通して出るときは、回転をしながら出ていくので、回りの材をえぐりながら出ていくと聞かされていた通りの状況でした。

 そんな飛散をした部品の破片の中でも一番驚いたのは、前述したローターの一部でした。正面のマンションから数10m離れた所に、長さ7〜8m、幅4、50cmもあるまるでナタのような金属片が、ドシンと落ちてきたわけです。その破壊力は、潰さされた原付の姿を見れば、容易に想像ができます。後の報告を聞くと、こうした破片が340m四方の場所に10数カ所も落ちていたそうです。家の中まで飛び込んできたこれらの破片に誰も当たらなかったことは、まるで奇跡としか言いようがありません。別段ヘリコプターの墜落爆発は規模が小さくてよかったなどと言う気はさらさらありませんが、ヘリコプターの墜落爆発でさえこれだけの殺傷能力です。より強力な人殺しの兵器であるミサイルの爆発の場合は、ヘリコプターの墜落爆発の比ではないと思い、よく米軍が敵の拠点だけを攻撃しているので民間人には被害はないという発表をしますが、とんでもない嘘だということがよく解りました。

 逆に言えば、沖縄の空には爆弾が飛び交っているということです。もし今回のヘリコプターが何らの爆発的な兵器を搭載していたとしたらどうなっていたのでしょうか。ともかく、戦場と変わらない状態であるというのは言い過ぎでしょうか。危険すぎるあまりにも危険すぎる。

 
米軍の対応
 さて、こうした事故が起きると本土の人たちは、家のそばに米軍基地がなくてよかったなどと思うに違いありません。実は今の日本ではこうした事故はどこでも起こりうるのです。沖縄についで多くの基地を抱える神奈川県などは当然としても、米軍は日本の国内を自由に移動ができるのです。軍隊は自分たちの道理で移動をするのです。例えば、沖縄の海兵隊は、150ミリりゅう弾砲の訓練のため日本各地の演習場を定期的に移動をしています。そこで、周辺の状況をある程度把握した私は、次にこうした状況に対して米軍がどういった対応をするのかということに注目をしました。いくつか気になったことがあるので、気がついた順に書いていきたいと思います。

 
周辺の閉鎖
 事故発生後30〜40分で、私は現場に到着をしました。その時には既に、米軍のMPたちが、墜落現場周辺をテープによって閉鎖していました。そのテープ内には、日本の警官も消防士も入れてはいませんでした。さらに、もう既に書いてある状況から賢明な方々は気がついているかとは思いますが、墜落現場は大学構内という民間地です。自分の持ち物が人の家の中に入ってしまったからと言って、その物を確保するために勝手に人の家に入り、勝手に封鎖をすることはできないのは言うまでもありません。ましてや大学構内は、基地の内部でもないわけですから。彼らはさも当然といわんばかりの顔で、人の家の敷地内に入り好き勝手なことをやっているのです。まるで、占領下における治外法権の感覚です。ここは、沖縄県宜野湾市です。
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